2016年9月18日日曜日

平成ぽこ学祭公演「今日が過去になる」観劇しました

いやいや面白かったです。

まず、ストーリー、テーマ、エピソード。
ジョージ・オーウェルの「1984」
PKディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」から沢山のオマージュ。
あと原子分解装置などはAEVヴォークトの影響も見える気がします。
自動運転車の中のシーンは、なんとなく田中芳樹の銀河英雄伝説や
アシモフの銀河帝国シリーズの中のシーンを彷彿とさせる気がしましたが、
これは気のせいか。
また原子力発電所のメタファも入っている気もして、これは柏崎人の
感覚かもしれませんが、非常に身近な感じも受けました。

そして、こういうSF的な沢山のイマジネーションが次から次へとごった煮に
なって出てきて、昔懐かしのワイドスクリーンバロックという
言葉を思い出しました。
今となっては当たり前の概念ばっかりですが、SFがマイナー文化だった頃、
30、40年前はこれらの概念が生まれたばかりでした。

その当時のキラキラとした輝きと屈折した概念が、素直に今回の
ストーリーに入ってきて、これはやはり平成生まれの作者・演者の作品
なんだなあ、と実感した次第です。
作者の山田遼太郎さんは本を沢山読まれているという事。
また高校演劇や小説も書かれているという事で納得。
もちろん、今回の作品でも、多少の齟齬や冗長さも感じました。
あと、題名と内容の繋がりがオジサン的にはよくわからなかったかも。
でも、それを上回る気持ちの強さ、主題への愛情。
気が早いですが、次回が楽しみです。


そして演技、演出。
ラストシーン泣きました。恥ずかしながら。
どの程度練習を積まれてきたかわかりませんが、役者の皆さんの演技が良いです。
前回の学内公演の時より、格段にこなれていて、テンポも良かった。
前述のストーリーも、形にしていく役者陣の力が無かったら、薄い伝わり方しか
しなかったでしょう。 そして昨日の女子☆ズも見て感じたのが、「平成ぽこ」
としてのチーム力。
もしかしたら役者の演技力だけ見れば、突出したものでは無いかもしれません。
演出方法、暗転、音響内容など実現方法なども改善の余地があるでしょう。
でも、このチーム力、そして大学祭としての場の力がすごかった。
きっとスタッフも含めて練習は盛り上がっている事でしょう。
もの凄い勢いを感じます。その勢いが本番に出てると思います。

役者さん。
皆さん良かったですが、トトイ(お母さん)の松平さんの最後の深みのある声。
そしてアスの高井さん。前回につづいて突き抜けた感がツボりました。

ともかく。
面白かったです。
2日連続で柏崎とピンポンダッシュで見た甲斐がありました。
皆さん、お疲れ様でした!

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