木がある。
根、幹、枝、葉、花、総合的に見れば一つの生命体だが、個々に分ければ部位毎の細胞の塊。
生長点では細胞は増殖し葉も茂るが幹の細胞はある程度したら分裂せず
ただひたすら立っているだけで、生命としての活躍を終えたように見える。
だが、広い意味でそうではないのだと思う。
幹の中を通り水が上部の枝と葉に行き、そこで浴びた光による光合成で、
より大きな木になっていく。
蒸散による圧力で深く張った根の深い地層から沢山の水を吸い上げられるようになる。
若い枝葉だけでは生きていけない過酷な環境でも巨大な木になる事で生きていける。
自分もそうかと思う。
老境にさしかかり、自分の細胞の成長は止まり、花になる事はできない。
でも若い、新しい細胞達に光があたるように支えになり、
強い風をさえぎって折れないようにし、
高い枝の上の花を咲かせられるようにして
遠くまで種を飛ばせるようにする。
木としての総体的な成長と子孫を残すための補助的な活動をしていく。
もし若い細胞達がいなくなったら幹の古い細胞だけでは新陳代謝をする
事ができず枯れ木になって朽ちていくしかない。
だからそうやって若い細胞達を助けて一緒に生きていく事が年寄りとしての生きるスタンスだと思う。
自分にまた新しい生きる機会を与えてくれた生徒、先生、関係者の皆さんに感謝したい。
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