2019年4月28日日曜日

映画「テス」。愚かな、愚かな人間。

見終わって。
実話かと思うほどの重厚さ。
映画としての絵は美しいのだが、そこにカタルシスは無い。
ひたすら世界と生活の重みが伝わってくる。

登場人物、特に主人公テスと夫エンジェルの愚かさが心にのしかかる。
なんでこんな事してしまうんだろう、と思う。
非常な貧しさ、過酷な仕事、生活。
幸せになりたいと思い、だが日々の仕事に追われる。
そして、たまにある喜び。
そして長いつらい悲しみ。

幸せになれる、なれた筈なのに、自分の感情を乗り越えられずに
結局幸せを捨ててしまう。
他人から見ればでは愚かな行動なのだが、本人にしてみれば
それが正しいと思う選択であり、また、そういう生き方しかできない。
結局、俺もそうなんだ。
間違わないように、注意深く行動しても、取り返しのつかない
愚かな失敗をしてしまう。
誠実に生きているつもりでもその下では狡さの皮が浮きでてきてしまう。
一生懸命生きようとしていても、前に進むことができない。

そんな気持ちを呼び起こす映画だった。



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