古き良き映画。
長い。
3時間20分もある作品で、若い頃見た時はとてつもなく退屈だった。
今もずっとは見ていられないので細切れで見ているんだが、
もう2回目を見ている。
ロシア革命、美女、詩、俗物、不倫、戦争、飢え、裏切り。
全てがリアルな感じがする。
もちろん、映画だし、ストーリーだって展開だって見せ方だって
いわゆる「リアル」では無いはず。
ご都合主義で、こんな事あるわけない、と言う話しなのかもしれん。
だが、そんなアラを探す気にならない。
結局、世の中にはこういう事はあるだろう、という個別のストーリー、
エピソードの寄せ集めのような気もする。
そして、全ての感情がリアルなんだ。
ストーリーなんかではない。感情がリアルなんだ。体験がリアルなんだ。
主人公のユーリもラーラも、普通の人間。善も強さももつと同様
弱さ、ずるさ、も持つ。でも、だからこそ気持ちに訴えてくるのかも。
成人君子、正しいだけ、強いだけの人間には共感できない。
努力して、正しい道を歩もうとして、幸せになろうとして、
でもなれなくて、運命に翻弄される存在。人間の悲しさ。
だから気持が伝わり、リアルなんだ。
そして、美しいヒロイン、ラーラ。
ためしに女優のジュリー・クリスティーを見てみる。
もちろん、美しい。
しかしラーラの美しさでは無い。
ロシア革命の中を生きて死んだこのラーラではない。
ジバゴが詩を捧げた、作家ボリス・パステルナークが書いた、
監督デビッド・リーンが作った、女優ジュリー・クリスティーが、
そして俳優オマーシャリフが作った美しい幻。
音楽のモーリス・ジャールが作る美しい世界の中の
存在だからこそラーラは美しいのだ。
素晴らしい映画だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿