ゲド戦記翻訳された、清水眞砂子さんのお話をTVで聞いた。
ゲド戦記の翻訳者としてしか知らなかったが、とても興味が持てた。
満州生まれだったこと。引き上げで幼少期に死と隣り合わせの
体験をしたこと。学生時代の事。
教師をしていたが、ゲド戦記と出会って翻訳家への道へ進んだこと。
児童文学を書きながら翻訳をしていたこと。
でも大学でも教えていて、若い人との触れ合いで様々な気付きを得たこと。
難しい単語を並べる事なく、しかし、一言一言が深く納得できる話だった。
年を経てもしてしまった失敗の話とか、学生から腑に落ちる答えが出てこないのは
正しく質問をしていなかったとか。
最近自分も感じる事を言葉にしてくれる思いだった。
老いるという事のマイナスとプラスとか。
日常での何気ない普通の凡庸な事柄がいかに大切な貴重な事という気づきとか。
言葉と教育の現実とか。
今自分がやっている学生との交流は間違いでは無い事を後押ししてくれた気がする。
彼女とはほぼ20歳違いだし、戦争という極限の体験の有無からして、
悟りの深さはまだまだ足りないのかもしれないが。
それでも深く共感ができる話ばかりだった。
彼女の話をもっと聞いてみたい、そんな気がする。
彼女だけではなく、年輪をもった人々の話をもっと聞かなければ
ならないのではないか。
今の社会は(いつの世でもかもしれないが)若さとか強さとか速さとか
目先の事ばかり追求しているが、もっと根本を見据えた真に賢い言葉と
行動をなおざりにしては行けないのかもしれない。
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